アレルギー

 

アレルギーとは

 

アレルギーとは、ある特定の物に対して身体の防衛システム(免疫系)が過剰に反応しているサインです。

 

アレルギーになりやすいかどうかは遺伝性が大きく関わってきます。両親にアレルギーがあれば、75~100%の割合で子供も同じアレルゲンに反応するようです。


しかし、両親からの遺伝ではなく、他の影響で遺伝情報が変えられてしまい、子供にアレルギーが起こる可能性もあります。他の影響とは、X線などの放射線や化学物質(アルコールや薬物、カフェインなど)の大量摂取、栄養不良などが挙げられます。

 

こうして、遺伝情報の中にある物質に対して反応するようインプットされるわけですが、実際に症状として発現するかしないか、また発現したとしてもその症状や発現の時期、程度は人それぞれとなります。


その遺伝情報の中にある「ある特定の物に対する過剰反応」のスイッチをオンに切り替える要因としては、強いストレスや有害物質、生活習慣などがあり、それらがきっかけとなって症状として現れるようになるわけです。

 

アレルゲン 

 

当院では、アレルゲンの検査サンプルが1000種類以上ありますが、検査・治療対象は身の回りのものすべてです。
それらは、9つのグループに分けることができます。

  • 吸入源(花粉・煙・排気ガス・化学物質・化粧品など)
  • 消化源(食物・調味料・薬品・サプリメントなど)
  • 接触源(化粧品・石鹸・洗剤・ラテックス・染料など)
  • 注射源(ワクチン・薬品など)
  • 感染源(細菌・ウィルスなど)
  • 物理的要因(自然環境・放射線・機械的刺激など)
  • 遺伝的要因
  • カビ・真菌類
  • 感情的ストレッサー

 

病院でのアレルギー治療の現状

  • 薬物療法
    アレルギー症状に対して使用される薬品は、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬、ステロイド薬などがあります。
    特にステロイド薬の効果は強力で、炎症を劇的に抑えてくれます。しかし、この薬も症状を抑えているだけで、決して治すことができるわけではないですから、結局使い続けなければいけないことになります。そこで、問題となるのが副作用です。
    長期・大量に使うことによる副作用は以下の通りです。
  • 軽度の副作用
    ムーンフェイス(顔が丸くなる)・上半身肥満(背中や胴回りに脂肪がつく)・多毛(顔、腕、背中、脚など)・にきび・筋委縮・紫斑・食欲増進・白内障・緑内障・頭痛・顔のほてり・のどの渇き
  • 重度の副作用
    胃潰瘍・感染症・精神障害(躁鬱、幻覚幻聴)・糖尿病・骨粗しょう症・骨壊死・副腎機能低下・血圧上昇・むくみ・血栓症・脱毛・成長障害・月経障害・性欲障害・動脈硬化症
  • 減感作療法
    これは、アレルゲンを注射していくもので、最初は少量から、そして徐々にその量を増やしてそのアレルゲンに対する抵抗力をつけることを目的としています。但し、この治療法は、期間が数か月に及ぶことや、その効果が現れる確立が低いなどの問題があり、現在行っている病院は少ないようです。
  • 除去食
    これは、病気の原因となる食物アレルゲンを避ける方法です。避ける食品は大抵複数に及びますから、かなり厳しいものがあります。

アレルギーがあることによる悪影響

 

 アレルギーの症状の有無に関係なく、アレルゲンがあることによる身体への悪影響を3つ挙げてみます。

  • 免疫力低下
    アレルギーがあると身体の免疫系は常にアレルゲンを排除しようと働き続けることになります。
    例えば、食物アレルギーでは、大嫌いな物や逆に大好きな物によく見られますが、大好きな物であればそれだけ頻繁に口にすることになります。そうすると、免疫系はフル稼働の状態になり、その状態が続くことで、免疫系の疲弊を招きます。これにより、細菌やウィルスが身体に侵入した際に、排除する力が機能しないということになります。
  • 栄養素の不足
    食べ物や栄養素に対してアレルギーがある状態というのは、身体はそれらを排除すべき物と認識しているわけですから、当然、身体への吸収は十分には行われないと言えます。
    例えば、鉄分にアレルギーがあれば、栄養素として吸収しにくいために鉄欠乏性貧血を患うことになります。
  • 神経機能の低下
    カイロプラクティック治療の目的は、神経機能の回復にあります。アレルギーがあると、カイロプラクティック治療による神経機能の回復が阻害され、状態が安定せず、なかなか改善しなかったり、良くなったと思ってもすぐに再発することにもなります。

 

アレルギー症状の特徴 

 

免疫機能の低下による身体の防衛システムの崩壊

風邪をひきやすいといった易感染状態、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患、線維性筋痛症やむずむず脚症候群などの難病がこれに相当します。

 

身体のコントロール機能の変調

神経系や経絡の流れに滞りが生じたことで起こる、しびれ、痛み、不整脈、動悸、高血圧、ほてり、冷え、便秘、下痢、自律神経失調などが相当します。

 

むくみ

むくみは身体の様々な場所で起こります。

 

むくみの場所 症 状
 皮下組織 ・・・  蕁麻疹
 気管支  ・・・   喘息
 脳    ・・・   頭痛・しびれ・感覚異常・運動障害・平衡感覚障害など
 末梢神経 ・・・   肋間神経痛・顔面神経麻痺など
 血 管  ・・・  血行障害
 内 臓  ・・・  消化不良・胃もたれ・胆嚢炎・膵炎・盲腸炎・慢性腎炎・心不全など
 唾液腺  ・・・  耳下腺炎
 耳 管  ・・・  中耳炎

 

筋肉の収縮

これには、頭痛、腰痛、肩こり、こむら返り、まぶたの痙攣などが相当します。

 

アレルゲンを排出するための症状

これは、身体に入ったアレルゲンを体外に出そうとする反応です。

  • アレルゲンが食物であれば、下痢、吐気、嘔吐など。
  • アレルゲンが吸入物であれば、咳、くしゃみ、鼻水など。
  • 皮膚もまた排出器官の一つで、その症状は次のように現れます。
    湿疹、水泡、にきび、発疹、しみ、乾燥(ドライスキン、ドライマウス、ドライアイなど)、あぶら性、髭剃りまけ、ふけ、若はげなど

 

乳児期の育て方がアレルギーに関係?

 

遺伝や生活習慣等の他にアレルギー体質にしてしまう素因として、医学博士である西原克成氏が指摘している問題をご紹介します。

 

◆ 離乳食を与える時期とアレルギー

 

日本では生後5か月くらいで離乳食を開始するそうですが、これは赤ちゃんの腸の発達状態からみると早すぎるようです。赤ちゃんは母乳以外の食べ物をしっかり消化する能力がまだなく、その間に離乳食を与えてしまうと未消化のたんぱく質が吸収され血液に紛れ込み、そのたんぱく質が異物として判断されて免疫反応が起き、アレルギー を引き起こすことになります。
離乳食にする時期は、自然と乳離れする1~2歳くらいが勧められるようです。

 

◆ 冷やす飲食物とアレルギー

 

冷たい飲食物を摂取する機会が多いと腸が冷えてしまいます。腸が冷えると白血球の活動が停止してしまい、腸の中の細菌が血中に容易に侵入し、細胞に感染、そしてミトコンドリアのはたらきを阻害します。これがアレルギーの要因の一つとなるそうです。

 

◆ おしゃぶりをやめる時期とアレルギー

 

赤ちゃんから早期におしゃぶりを取り上げることが口呼吸にしてしまい、本来、鼻呼吸であれば防止できていた細菌の侵入を許し、それが病気の引き金になるそうです。

 

イースト・コネクションの問題

 

様々な抗生物質や抗菌剤が医療や食物(肉・養殖魚・鶏卵)を通して摂取されています。そのためにビフィズス菌が死んで、腸内細菌のバランスが崩れイースト(カンジダ)が増殖します。


また、強いストレスやパンや甘い物ばかりの栄養素の乏しい食生活、生活環境における化学物質の過剰曝露などが免疫力を低下させ、こうしたことからもカンジダを増殖させることになります。

 

過剰に増殖したイーストが身体に悪影響を及ぼします。
アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギー をはじめ、化学物質過敏症の患者さんの多くがイースト・コネクションに陥っています。
その他の様々な体調不良の背景にもこの問題が存在しているかもしれません。

 

【イースト・コネクションへの対策】

  • 甘い物、パン、アルコール、インスタント食品、発酵食品などカンジダを増やす食品を食べない
  • 有機野菜、抗生物質を使っていない肉・魚・鶏卵、ミネラル水などのカンジダを増やさない食品の摂取
  • 食物繊維、ビフィズス菌などの腸内の善玉菌を増やすための食事