食物アレルギーによって具体的にどのような症状として現れるか紹介します。
部 位 | 症 状 |
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皮 膚 |
口角炎・口内炎・湿疹・アトピー性皮膚炎・異常な発汗・蕁麻疹・かゆみ・ にきび・あせも・おむつかぶれ・血管神経性浮腫
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耳、鼻 |
鼻アレルギー(鼻づまり、鼻水、くしゃみ、鼻のかゆみ)・咳き込み・ 風邪の反復・耳鳴り・難聴・回転性めまい・メニエール症候群・滲出性中耳炎
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眼 |
眼痛・涙目・強い光で目が痛む・虹彩炎・結膜炎・白内障
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消化器系 |
胸焼け・嚥下困難・吐き気・腹痛・消化不良・下痢・便秘・痔・ 肛門のかゆみ・過敏性腸症候群・神経性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・ 潰瘍性大腸炎
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呼吸器系 |
鼻炎・気管支炎・気管支喘息・副鼻腔炎・肺気腫
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心血管 |
動悸・頻脈・手にほてり・冷え
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泌尿器系 |
頻尿・夜尿症・血尿・蛋白尿・アレルギー性膀胱炎
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神経系 |
頭痛・偏頭痛・突然の眠気・睡眠障害・抑うつ・行動異常・多動・学習障害
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筋骨格系 |
疲労・倦怠感・全身に筋力低下・筋肉痛・関節痛・懲り・全身の硬直・ 関節リウマチ
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血 液 |
貧血・血小板減少
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その他 | 低血糖・低体温・肥満・糖尿病・膵炎・肝炎・寝起きの悪さ |
(河野 泉氏著 「原因不明の疾患とアレルギーの新療法」より)
この表内の症状は、食物アレルギーが関与する一部でしかありません。
実際には、あらゆる身体症状に関係しています。
こうした食物アレルギー関与による病気の捉え方は、西洋医学的には以前は認識されていませんでしたが、最近になって徐々に認められつつあるようです。
医師である河野泉氏の著書「こう治す複合汚染アレルギー」から、患者がどのような症状を持つ場合に食物アレルギーの関与を疑うのか、引用してみます。
アレルギーを起こす原因物質を体内に取り込んで15分以内に症状が現れるものが「即時型アレルギー」とされます。 花粉症やじんましんは、その典型的なものです。
この「即時型」に対して「遅延型」あるいは「非即時型」のアレルギーがありますが、こちらは原因物質を取り込んで数時間から数日後にアレルギー 反応が起こるので、一般的には原因の特定が困難となります。
こうした分類とは別に、食物アレルギーには、症状が現れたときに原因物質との因果関係がはっきり見える「はっきり型」と見えない「隠れ型」があります。
例えば、サバを食べてじんましんが出た、牛乳を飲んで下痢をしたといった場合、原因が明確なので「はっきり型」となります。しかし、こうした「はっきり型」は、食物アレルギーの中では割合が低く、その多くが「隠れ型」に該当します。
「隠れ型」は、食べたからといって、そのあとに明確な症状が現れないので、因果関係が自覚できません。毎日食べているものにアレルギーがある場合に、このようなことが起こるのが典型です。
日本人では、米、小麦、大豆などは毎日摂取していますが、こうしたものに「隠れ型」のアレルギーになっているようです。
アレルゲンを身体に取り込んだからといって、必ず症状がでるわけではありません。
特に「隠れ型のアレルギー」の場合、摂取する食べ物の量、同時に食べたものや食べ物以外のダニや花粉などのアレルゲンの量と種類、その時の疲労度、そしてその他の環境や精神的ストレスが関わることで症状がでるということもあります。
◆ 大好物なもの、そして大嫌いな物もアレルギーの可能性大です。
偏食もアレルギーの症状の一つと言えます。
◆ 一度にたくさん食べるものや、食べ始めたら止まらず、いくらでも食べられるもの。
◆ 食べる頻度が週に3回以上のもの。毎日食べているもの。一日に何回も食べるもの。3日間(72時間)食べないと禁断症状が出るもの。寝る前や寝起きにも食べるもの。
逆にめったに口にしないものも身体が危険を察知して、無意識に避けている可能性があります。
◆ 食べるのを禁止されるととてもつらいもの。
◆ 両親、祖父母も大好き、または大嫌いな物。代々、食べる頻度の多い食品であればアレルギーになってしまいます。
◆ 症状の悪化時期と食べる量・頻度が増えた時期が一致するもの。
例えば、うどん屋やケーキ屋さんで働くようになったら、症状がでるようになったとき。
◆ 身体のちょっとした反応に注意してみましょう。
例えば、食べようとしてもなかなか呑み込めないもの、のどが詰まる、むせるもの。食べたらお腹が痛くなった、下痢をした、においを嗅ぐだけでむかつくなど。
上記に該当する食べ物をしばらく避けてみることで、現在悩んでいる症状が軽減する可能性は十分にあります。
河野 泉氏が「原因不明の疾患とアレルギーの新療法」の中でも触れていますが、スポーツ選手の好・不調の波にも食物アレルギーの関与で説明できるといっています。
試合前にたまたまアレルギーのあるものを口にして、試合中に集中力を失い、筋力が低下したり、筋肉が痙攣したりといったことが起こり得ます。
スポーツ選手の中に、一般的な栄養学だけでなく、こうしたアレルギーの観点が取り入れられたら、きっと故障もしにくくなるし、パフォーマンスも安定したものになるだろうにと思うばかりです。